ハムスターに関しては、初診かどうかはケージを持ってきていれば一目でわかります。大体のケージには、木のチップが敷き詰められ(牧草のこともあります)、トイレには固まる砂、寝床には綿が入っています。
残念ながら、ショップや飼育書では常識とされているこれらの巣材は、ハムスターの病気の大きな原因になっているのです。
まず、チップですが、いろんな素材のものが販売されてはいますが、体質にあわないと、酷いアレルギー性の皮膚炎を起こします。細かいチップのホコリが目や気管を刺激して起こる病気も見受けられます。輸入される段階で、害虫駆除のため農薬等が噴霧されていることもあり、中毒をおこす危険もはらんでいます。
また、チップそのものが原因ではありませんが、ハムスターの排泄物の状態が把握しづらいという欠点もあります。特に尿の以上や下痢はチップにまぎれると発見が遅れ、重症になって来院する子も多いのです。
それ以上に酷い症状が出ることもあるのが牧草です。床敷き用の牧草に変えたとたん中毒に近い位体調を崩す子を今まで何頭も診ています。チップ以上に変な加工がされていることが多いようです。
そして、絶対にやめて欲しいのが固まる砂です。この商品は化学物質を使用して尿を固まらせる商品です。砂あびが好きなハムスターが中で転げまわったら・・・目の表面は化学物質で焼けただれてしまいます。もちろん皮膚にもいいはずがありません。
一見自然な環境に見えて実はいろんな弊害が・・・怖いですね。
以上の理由で、初診の飼い主さんには、まず環境の指導から始めます。
|