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猫のウイルス病
猫でもっとも問題となるウイルス感染症は、猫エイズウイルス、猫白血病ウイルス、猫ヘルペスウイルスです。
このほかにも猫伝染性腹膜炎(FIP)や猫パルボウイルスなどがあります。
これらの、一般的な治療では対応できない難治性のウイルス病に対して、当院では免疫療法という特色ある治療を行っています。
インターフェロンや丸山ワクチン、アセマンナンなどの注射治療、内服のインターフェロンや、免疫増強サプリメントを組み合わせて使用し、最も問題となる体力の無い子猫や老猫、エイズ・白血病のキャリアの猫でも素晴らしい効果を得ています。
 
 

白血病・エイズ両方陽性のパオちゃん
白血病・エイズ両方陽性のパオちゃん
パオちゃんは14歳のおじいちゃん猫。平成17年から通院しています。ごらんの通り右耳は以前の耳血腫で変形し、ウイルス病以外にも老化による歯槽膿漏や腎不全も持ちながら頑張っている子です。
初診時3200しかなかった白血球も、最新の平成19年2月の検査では7300とほぼ正常値。腎機能もどうにか維持しています。
猫白血病陽性のキンタくん
猫白血病陽性のキンタくん
どうしても猫を飼いたかった飼い主さんが、ノラ猫だったキンタ君をスカウト(?)し、家猫になりました。
しかし、繰り返す結膜炎や貧血が酷く、来院して検査したところ白血病であることがわかりました。初診時の白血球数は3200/μl。通常の半分くらいです。しかも、その白血球中のリンパ球の占める割合が90%の高値。(通常は50%あれば多いほうです)
 
貧血も重度で白血病特有の非再生性貧血を呈していました。早速アセマンナン(免疫刺激剤)とインターフェロン、セファランチン等の治療を行なったところ、数日後には白血球が5000まで増えリンパ球の形にも変化が現れました。今は大きく体調を崩すことなく、一週間に一度の通院で免疫療法を続けています。
猫白血病陽性のミーちゃん
猫白血病陽性のミーちゃん
以前このページでもご紹介したミーちゃん、当時は子猫でしたが、もう3歳になりました。発情が激しく合間で不妊手術を行い、今も月一度の通院とインターフェロンの内服を欠かしません。定期的な血液検査でも確認していますが、今のところ発症はなく、ごらんの通り血色良好です。病院は相変わらず苦手なミーちゃんです。
猫白血病陽性のミウちゃん
猫白血病陽性のミウちゃん
ミウちゃんはまだ1才の男の子。度々40度を超える高熱を出すということで来院され、検査したところ、白血病が強陽性でした。白血球は少なく、リンパ球がメインで、溶血も起こしているという重症な状態でしたが、免疫療法によく反応してくれ、今では高熱を出すこともなく、インターフェロン、鹿角霊芝の内服と、定期的な免疫療法の注射で維持しています。
猫白血病陽性のこのみちゃん
猫白血病陽性のこのみちゃん
幼い頃ヘルペスウイルスに感染し、衰弱していたのを保護され、その後の検査で白血病に感染していることが判明しました。このみちゃんの飼い主さんは、なんとか発症を食い止めたいと、当院をインターネットで探して遠く久留米から来院されました。通院しだして一年以上になりますが、細かい体調の変化はあるものの、インターフェロンや鹿角霊芝、セファランチンの内服で今では元気で太り過ぎないように注意しているほどです。
猫エイズ陽性のクロちゃん
猫エイズ陽性のクロちゃん
平成17年に初診で訪れてからもう2年になります。弱って保護されたときは体重3.4kg。全身のリンパが腫れ、ヘルペスウイルスによる鼻気管炎の症状も併発していました。当初は溶血性の貧血も起こし、白血球も異常な形のものが多数出ていましたが、今では体重も3.9kgまで増え、丸々と太っています。この子はインターフェロンとセファランチン、グリチロンを内服しています。
猫白血病陽性のボンちゃん
猫白血病陽性のボンちゃん
ボンちゃんはまだ生後半年ほどの若猫です。ボンちゃんのお宅は多頭飼育で、先日ヘルペスが猫たちの間で流行してしまいました。他の子は治療で回復していく中、ボンちゃんは症状が治まったというのに全く食欲がありません。そこで血液検査をしてみると白血病が強陽性。貧血やリンパ球の異形性もありました。ヘルペスに対して免疫療法は継続していたにも関わらずの食欲不振だったので、白血病でよく認められる消化管のリンパ腫などを想定してステロイドを併用したところ、次の日には嘘のように食欲と元気がでてきました。結果的にやはりどこかしらにリンパ腫がある可能性が高くなりましたが、なるべく楽に長生きさせてあげたいとの飼い主さんの意向も踏まえてその時々に応じた治療を続けていきます。
猫エイズ陽性のナナちゃん
猫エイズ陽性のナナちゃん
ナナちゃんは子猫の頃、動物霊園の里親探しで飼い主さんに見初められて家族の一員になりました。生後半年になり避妊手術を受ける際に行なった血液検査で猫エイズに感染していることが判明しました。飼い主さんはとてもショックを受けておられましたが、早速週一回の免疫療法の注射とインターフェロン、鹿角霊茸、セファランチンの内服を開始しました。
当初、白血球が異常に少なく、血液像にも異常が見られましたが、現在は白血球も増加傾向、リンパ球の形もよくなり見た目には全くエイズが潜んでいるとはわからないほど元気にしています。
 
奇跡の復活猫 チュチュ
奇跡の復活猫 チュチュ
チュチュは6歳のMIX猫。元気が無くなり他院に連れて行ったところ白血病の末期と診断され、施しようが無いので栄養剤の投与だけを受けましたが、諦め切れない飼い主さんが当院へ運び込みました。
来院当初、チュチュは呼吸が荒くぐったりしていました。
血液検査の結果、著しい貧血をおこしていることが判明。レントゲンでは腹部にリンパ腫と思われる大きなしこりもみつかりました。
そこで貧血とリンパ腫に対するステロイド療法に加えセファランチンや造血ビタミンなどの治療を行なったところ、飼い主さんもびっくりするほどの回復をみせ、今では食欲も回復、元気を取り戻しています。
猫白血病のチロちゃん
猫白血病のチロちゃん
保護されたときから、高熱や口内炎で検査したところ白血病陽性であることがわかったチロちゃん。免疫療法を定期的に受け、無事成長しましたが、外に出て喧嘩した際に足に傷を負い、その後急激に白血病を発症してしまいました。白い毛並みと同じくらい蒼白になった鼻の色、わかりますか?血液は著しい貧血と白血球の数や形態の変化を起こしています。現在は対症療法によりなんとか食欲・元気を保っている状態です。
最強の伝染病 FIP
最強の伝染病 FIP
猫で発症したらほぼ100%の致死率である恐ろしい病気、FIP。コロナウイルスというウイルスの感染症です。
動物病院では、よくFIPの抗体価を測る検査が行われているようですが、多くの猫がこのウイルスの暴露を受けており、抗体価が高くても発症しない子もいれば、低くても発症して死に至る子もいます。つまり、抗体価は当てにならないのです。
 
感染しても発症するのは一部の子です。ただし・・・発症してしまえば致死率はほぼ100%。しかも数週間という短期間で急激に症状が悪化し、亡くなってしまうことが多いのです。
 
この子は野良猫の子供。来院時すでに腹水が溜まっている状態でした。インターフェロンやステロイド治療で一時的に食欲は回復しましたが、やはり一週間ほどでなくなってしまいました。
 
ワクチンも無く、確実な予防方法も無い、最強の伝染病なのです。これから先、獣医学が進歩して、FIPの予防や治療が可能になる日が来るのを願ってやみません。
白血病陽性のノンちゃん
白血病陽性のノンちゃん
来院当時から白血病は陽性ですが、週一回の免疫療法ではや5〜6年、口内炎はあるものの、元気にしているノンちゃんです。今回、数ヶ月前から出てきた乳腺のしこりが腫瘍であることがはっきりし、飼主さんの強い希望もあり摘出手術を行いました。前後に集中して免疫療法を行ったおかげか、手術前より元気になったノンちゃんです。あとは再発の有無をしっかり見て行かなければなりません。
猫白血病陽性のゴローちゃん
猫白血病陽性のゴローちゃん
16歳には見えない若々しいゴローちゃんは白血病のキャリアです。口内炎で受診した際の血液検査で診断されたのは数年前ですが、今のところ若干の貧血以外に大きな症状は認められません。以前膀胱炎をよく起こしていたので漢方薬を飲みながら、週一回免疫療法の注射に通っています。
注射を確認中のゴローちゃん
注射を確認中のゴローちゃん
いつもの注射?痛いけど、注射打つと調子いいんだよね〜。
 
猫白血病陽性のチャチャ
猫白血病陽性のチャチャ
平成13年に白血病の診断を受けました。当院では平成14年6月から治療を受けています。当初、リンパの腫れ、口内炎、腎機能低下などが見られましたが、今はいずれの症状も抑えられています。はじめ週1回だった免疫療法の注射も今は月1〜2回で維持しています。
猫エイズ・白血病両方陽性のアダム君
猫エイズ・白血病両方陽性のアダム君
保護されてすぐの血液検査でエイズ・白血病の感染が判明しました。当初は再生不良性貧血とリンパの腫れ、ヘルペス症状、口内炎も起こしており、4.1キログラムとやせていましたが、飼い主さんのケアと定期的な通院で、今は5キログラムまで体重も増え、元気にしています。
 
アダム君は腎不全を発症し、飼い主さんと共に最後まで戦いながらこの世を去りました。超が付くほど温厚だったアダム君、安らかに・・・
 
 
猫白血病の星★19歳のテツコちゃん
猫白血病の星★19歳のテツコちゃん
10年くらい前から口内炎症状を主に来院していました。当院が免疫療法を始めたころからの患者さんです。
当初はブロンカスマ・ベルナ、平成13年からはアセマンナンを使用して、3〜4週間に一度の注射による免疫療法を行っています。
白血病とはいえ、発症は抑えられており、処方食も食べているので毛艶もよく、19歳には見えない元気なおばあちゃんです。飼い主さんも調子がいいからと、来院間隔があきすぎて院長にたしなめられるほど・・・。
白血病の猫の飼い主さんの希望になれば・・・と思ってご紹介しました。
 
テツコちゃんは、平成18年、エイズ・白血病が直接の原因とはならず老化による腎不全でこの世を去りました。
猫白血病のチロちゃん
猫白血病のチロちゃん
平成16年11月(つい先日)検査をした子です。
野良猫のお母さんが置いていった子猫です。飼い主さんが、家にいるほかの子に比べ元気がないのに気づいて来院しました。結果は白血病陽性・・・
来院時は高熱(40℃ちかく)と貧血、食欲・元気の減退がみられましたが、3回の注射治療で現在熱は下がり、元気・食欲は盛り返してきました。これから順調に回復するかが問題です。
猫エイズ陽性のクーちゃん
猫エイズ陽性のクーちゃん
平成11年から歯肉炎で治療をうけていましたが、平成13年の血液検査で猫エイズに感染していることが判明しました。貧血と口内炎を繰り返し、一時はヘモバルトネラ(貧血をおこす伝染病)にも感染しましたが、月1〜2度の免疫療法の治療(インターフェロン、丸山ワクチン)で今はいい状態を維持しています。幼いころ交通事故にあい、脊髄を痛めているのでレーザー治療も併用しています。
猫白血病のユウキくん
猫白血病のユウキくん
生後4〜5ヶ月のユウキくんです。小さいころからヘルペス(涙目・鼻水症状)はありましたが、治療である程度改善して元気になっていました。
そろそろワクチンをと考えていたところ、最近また同じような症状が出始め、熱も高く、血色が悪いのが気になったので、血液検査を行いました。
 
結果は、猫白血病ウイルス感染症(Felv)が陽性。
貧血もかなり重度なことが判明しました。
 
猫白血病は、現代の猫にとって重大な病気です。屋外ではかなりの確率で蔓延していると思われますし、いったん体内に入ると一生涯感染し続けることの多くやっかいな病気です。
名前の通り白血病(血液のがんです)や、リンパ肉腫、貧血、口内炎など様々な症状を呈します。
 
ユウキくんは母子感染か、幼少時の感染が疑われます。幼くして発症した場合、進行も早いので、さっそく今日から注射と内服の免疫療法を開始しました。
 
注射は、二次感染を防ぐための抗生物質、強肝剤、ビタミンC(免疫強化作用がある)、免疫刺激剤として、インターフェロン、丸山ワクチンを用います。
 
内服薬は、インターフェロン液と、免疫強化作用を持つサプリメント液の2種類です。
 
ユウキくんの戦いのはじまりです・・・
 
治療開始から数ヶ月、ユウキ君はFIP (猫伝染性腹膜炎)を発症し、天国へ旅立ちました。腹水が溜まりだしてからも免疫療法を続けたおかげか、最後まで食欲だけは落ちず、穏やかな最後だったそうです。
ユウキくん、安らかに・・・
猫白血病のウラン(男の子)
猫白血病のウラン(男の子)
ウランは数年前猫白血病に感染していることが判明しました。定期的に免疫療法を受け、処方食を食べて、飼い主さんも健康管理に気を使っています。
一時期口内炎が出たこともありますが、今のところ目立った症状はありません。同居しているミーちゃんは猫エイズのキャリアですが、この子も免疫療法でいい状態を保っています。
猫エイズのミーちゃん
猫エイズのミーちゃん
上のウランくんと同居しています。おばあちゃん猫ですが、今のところ大きな症状はありません。定期的に免疫療法に通っています。
猫白血病のミーちゃん
猫白血病のミーちゃん
このミーちゃんはご覧の通りまだ子猫です。生後2ヶ月で拾われた当初は、血液像にも異常が見られ、ヘルペスや疥癬も併発した悲惨な状況でした。一時は飼い主さんが死を覚悟するほど重症だったのですが、免疫療法と一般的な治療の併用で驚異的に回復しました。今は気になる症状も無く、おてんばがすぎて飼い主さんに怒られるほどです。
現在は、食餌療法と、インターフェロン、免疫強化サプリメントの内服、月1回程度の通院で維持しています。数ヶ月前に避妊手術も受け、今はこの頃より丸々としています。
猫白血病のアイちゃん
猫白血病のアイちゃん
血液検査では猫白血病が強陽性。血液像にも異常が見受けられました。持続する高熱と、元気・食欲の低下、リンパも大きく腫れていました。数日間の集中的な治療で急激に状態は改善し、今は元気にしています。2週間に1度、免疫の注射に通っています。
猫エイズのチャコちゃん
猫エイズのチャコちゃん
野良猫のお母さんから、幼少時感染したと考えられます。今は完全室内飼いですが、免疫が弱いため、ヘルペス(くしゃみ・鼻水などが主な症状のウイルス病)にもかかりやすいので、定期的に免疫療法を受けています。
猫エイズ・白血病両方陽性の中(ちゅう)ちゃん
猫エイズ・白血病両方陽性の中(ちゅう)ちゃん
この子は、エイズも白血病も陽性です。常にヘルペスの症状はあるのですが、何かのきっかけでびっくりするほど重症化します。(それがエイズと白血病の特徴でもあるのですが)先日もヘルペスから、食欲不振に陥り、数日間危ない状態をさまよいました。
今回は集中的な治療でなんとか持ち直しましたが、これからも注意が必要です。
βグルカン(免疫強化作用を持つ)とインターフェロンを内服しています。
 
中ちゃんは再度出てきたヘルペスウイルスの症状の急激な悪化によりこの世を去りました。何度も持ち直して免疫療法の可能性を私達に示してくれた中ちゃん、ありがとう!
猫ヘルペスの小次郎君
猫ヘルペスの小次郎君
くしゃみ、鼻水、眼のウルミ、典型的なヘルペスの症状を出していました。飼い主さんは、他の猫友達から勧められた、くしゃみを止める点鼻薬と、アレルギー用の目薬をさしていましたが、改善しないということで来院しました。これらの薬は、見た目の症状は一時的に改善することもありますが、ウイルスや細菌は増える一方で、反動が大きく一気に悪化してしまいます。猫に、このような“風邪”らしい症状が出ても、そのほとんどはヘルペス感染症です。素人療法はせず、早期に治療を受けましょう。
 
数回の治療後
数回の治療後
数日おきの注射治療に加えて、免疫増強サプリメントを2種組み合わせて家庭でも内服してもらいました。
目薬も抗生物質のものに変更して、数回の治療後から眼のウルミやくしゃみの頻度が減少して、1ヶ月経った今では体重も増えてこんなに可愛くなりました。気になる症状はたまにあるくしゃみ程度ですが、注射の間隔を空けつつ、もうすこし注意して様子をみることになりました。
 

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