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腫瘍に対する免疫療法
免疫療法とは動物が本来持つ自然治癒力を高める手助けをする治療です。動物の免疫系を活性化し、腫瘍細胞と戦う力をつける、抗がん剤等と違い殆ど副作用のない治療法です。
 

免疫療法で乳がんが消えたアンちゃん
免疫療法で乳がんが消えたアンちゃん
アンちゃんはM.ダックスの女の子。一度出産をしたことがありますが、発情のたびに乳腺炎をおこして治療をうけていました。定期的な健診の際、小豆ほどの大きなの乳腺腫瘍がみつかりましたが、単発でまだ小さかったこともあり、インターフェロンの内服と、免疫強化サプリメントを続けること数ヶ月、今では触診してもどこにあったかわからないほどに小さくなりました。
猫の乳腺腫瘍
猫の乳腺腫瘍
15歳のトラちゃんは、2週間前から急激に大きくなってきた乳腺の腫瘍が自壊し、他院で手術不適と言われ来院されました。猫の乳腺腫瘍は悪性が多く、転移もしやすい為一般的には予後不良ということで積極的治療がなされないか、早急に手術に持ち込み一般状態が悪化することが多いようです。
 
トラちゃんに関しては、腫瘍が単発であること、レントゲンにてわかる範囲の転移が確認されないことから、数回注射による免疫療法を行い、手術で摘出することになりました。
手術直前の腫瘍
手術直前の腫瘍
術前に数回抗生物質も投与して、術部の感染を抑えることにより、傷の治癒期間も短縮されます。毛を刈ってみるとかなり大きな腫瘍です。
術後のトラちゃん
術後のトラちゃん
充分なマージンをとって切除する為、傷は大きくなりますが、事前の治療により全身状態が大幅に改善された為、老齢にもかかわらず術後の回復もスムーズで、無事抜糸を迎えました。これからも再発防止、チェックも兼ねて定期的に免疫療法を行っていきます。
膀胱癌のチビちゃん
膀胱癌のチビちゃん
チワワミックスのチビちゃんは、数ヶ月前から膀胱炎の治療にも反応しない血尿が続き、エコー検査の結果膀胱腫瘍の診断をうけました。
腫瘍の大きさをエコーでチェック
腫瘍の大きさをエコーでチェック
定期的に診察して腫瘍の大きさを確認しています。
年令的なもの、予後、腫瘍の部位などから、手術は選択せず内科的な免疫療法と、MA-Uの膀胱内注入にて治療を続けています。出血はあるものの、元気・食欲は旺盛で、発見からもうすぐ一年が経とうとしています。通常の膀胱癌の余命は3ヶ月程度といわれていますので、驚異的に良い状態で延命できていると言えます。
丸一年が経ちました
丸一年が経ちました
週に一回程度のMA-Uの膀胱内注入を続けながら、チビちゃんは元気に生活しています。膀胱癌を抱えながら一年以上生存しているのは、他には例が無いかもしれません。
 
チビちゃんは、膀胱癌発見後から一年半後、癌性腹膜炎から来る呼吸不全で天国に召されました。容態が急変するその日まで、普通に生活をしていたチビちゃん。最後まで入院することも無く、飼い主さんのもとで静かに旅立ちました。
モモちゃんのお顔で〜す
モモちゃんのお顔で〜す
やっと写真が撮れたモモちゃんです。赤い服がとてもよく似合ってます。
尻尾にできた肥満細胞種
尻尾にできた肥満細胞種
レーザー治療のところでもご紹介したパグのモモちゃんの尻尾です。一回目の蒸散後、再発したので再度深く蒸散しましたが、やはり盛り上がりがでてきていました。そこで、新しい治療法であるMA−Uの局所注射を行いました。
MA−U注射後
MA−U注射後
注射当日は痛みがあったようですが、腫瘍は驚異的に小さくなり、傷も綺麗に修復しています。
同じくモモちゃんのお尻
同じくモモちゃんのお尻
肛門脇にも同じようにぶよぶよしたしこりがありました。赤みがあり盛り上がっているのがわかります。
MA−U注射後
MA−U注射後
この写真ではすこし見辛いですが、ずいぶん盛り上がりが減っているのです。
モモちゃん、尻尾やお尻の写真ばかりでごめんね!今度お顔も載せるからね!
MIX猫のユニちゃん(♀)
MIX猫のユニちゃん(♀)
左の乳腺のところに液体が貯留しているということで、注射器で液体を抜いて検査してみたところ・・・
こんなにたまっていました
こんなにたまっていました
液体を抜いた後、皮下には無数の小さなしこりが感じられました。検査の結果、腫瘍性の細胞が多数認められ、あまり多いタイプではない乳腺腫瘍と診断されました。現在、免疫強化サプリメントと、週1回程度の注射治療に加えて、MA−Uという薬を患部に注入する治療を開始しています。(今までの報告によるとかなり腫瘍抑制効果があるということ。抗がん剤ではない自然の抽出液です)1回の注入でしたが、現在液体の貯留も少なく、しこりがちいさくなる効果が認められており、これからの治療での効果が楽しみです。
                    
ヨーキーのクララちゃん(♀)
ヨーキーのクララちゃん(♀)
この子も16歳のおばあちゃん犬です。2年前から播種性の乳腺腫瘍がありますが、定期的な免疫療法の注射と、COX−2阻害薬の内服で、大きさに変化無く良好な状態を維持しています。
トリマー中村の愛犬セレス(♀)
トリマー中村の愛犬セレス(♀)
セレスの病歴をカルテで確認していて今更ながら驚きました。
4才時から診察していますが、先天的に腰が悪いのに加え、乳腺炎、帝王切開(死産)、大腿部の腫瘍、歯肉の腫瘍、子宮蓄膿症、乳癌と、メスが起こす病気の主なものはほとんど体験しています。
今は3年位前から出てきた乳腺腫瘍の免疫療法を行い、体調は良く、以前に増して元気いっぱいです。
セレスはエトドラクという薬を使用しています。(癌の血管新生を抑制する効果があります)フードも処方食に変えて毛並みが良くなり、飼い主である中村も食餌の大切さを身をもって感じたそうです。
 
セレスは平成20年3月に、急激に発症した皮膚がんの転移による呼吸不全で亡くなりました。12歳の大往生でした。
シーズーのエリちゃん(♀)
シーズーのエリちゃん(♀)
2週間に1度、相棒のユキちゃんと共に山口から通院しています。数年前から乳腺腫瘍がありますが、定期的な免疫療法のおかげで大きさに変化も無く、体調もばっちりです。かれこれ通院しだして7〜8年になるでしょうか。
来院時は注射による免疫療法、家庭ではサプリメントを内服しています。
病院で写真を撮ろうとしたら怖がってこんな顔になっちゃいます・・・
マルチーズとプードルMIXのエドちゃん(♀)
マルチーズとプードルMIXのエドちゃん(♀)
今年10さいになるエドちゃんは、数年前から発情のたびに乳腺炎をおこして通院していましたが、最近下の乳腺にしこりが出来ているのが確認されました。乳腺腫瘍に発展している可能性が出てきたため、免疫療法と、抗腫瘍活性のあるCOX−2阻害薬(エトドラク)の内服を開始しました。
目標は、腫瘍をなるべく大きくせずに、いい状態で長生きしてもらうことです。
ナチュラルアニマルケアーのページにも書きましたが、腫瘍があるから即切除・手術というのは動物のためにはなりません。手術によるトラブルだけでなく、術後すぐ再発したり転移したりすることもあり、慎重に選択すべきことなのです。
 
 
プードルのプーちゃん(BEFORE)
プードルのプーちゃん(BEFORE)
プーちゃんは12歳になるおばあちゃん犬です。平成16年5月、乳腺腫瘍が腹部全体に散らばるように多数あることがわかり、他院で手術を勧められました。
しかし、飼い主さんは、プーちゃんの体力では手術は危ないと判断し、友人の紹介で当院に来院されました。
来院初日、プーちゃんは全く元気が無く、心音も弱くかなり衰弱していました。エコーやレントゲン検査の結果、心肺機能の極端な低下が判明し、飼い主さんの判断が正しかったことがはっきりしました。あのまま手術を受けていたら・・・今考えても怖いと飼い主さんは言います。
 
さっそく心臓の治療を開始し、元気は数回の治療でずいぶん持ち直しました。途中、咳が出たり、下痢をしたりはありましたが、今では病院のトリミングルームでカットできるまでに回復しています。
 
現在は持病である咳の治療と心臓の治療も兼ねて定期的に通院しています。内服薬は、ATP、ノイキノン(最近になって注目されているコエンザイムQ10です)とCOX−2阻害薬、胃薬の組み合わせです。
プーちゃん(AFTER)
プーちゃん(AFTER)
かわいくなったでしょ?
柴犬のマルちゃん
柴犬のマルちゃん
マルちゃんは14才の柴犬です。
飼い主さんは平成16年10月くらいから自宅で「ハタケシメジ」という免疫サプリを試してみて、ある程度の効果は実感していましたが、12月の初診時はシャンプー後に気管支炎を起こしたことにより免疫が低下し急激に腫瘍が増大して表面が破れている状態でした。
 
気管支炎の治療とインターフェロン・丸山ワクチン等の免疫療法・老犬用の処方食への変更も行ったところ、腫瘍は小さくなり、以前より悩まされていた皮膚の痒みまで改善されて飼い主さんも非常に喜ばれています。
現在も定期的に下関から診察に来られています。
 
マルちゃんは平成17年6月、急激な心不全の悪化により亡くなりました。安らかに・・・

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