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皮膚病
一口に皮膚病といっても原因は様々です。最も多いのは細菌性の皮膚病ですが、近年は食餌によるアレルギーやマラセチアという酵母性真菌、皮膚糸状菌症なども多く見られます。他にもノミ・ダニなど寄生虫性の皮膚病や、まれにホルモン障害や内臓の病気からくる皮膚病もありますので、たかが皮膚病とあなどることはできません。

人への感染例(真菌)
人への感染例(真菌)
人間にも感染するから注意してくださいね〜なんて言ってたら・・・
 
皮膚病の犬と接することの多い人も犬と同じ真菌に感染します。これは私の以前感染した病変。(風邪ひいて免疫落ちてたからかな・・?)
 
リング状に痒みのある湿疹ができ、周りの皮がカサカサしてました。(教科書通り!)顕微鏡で見てみたら菌糸が!!幸い一ヶ所だけだったので、抗真菌剤の軟膏だけで治りましたが・・・。
 
ペットがカビ(糸状菌)と診断された飼主さんはお気をつけ下さいね〜。尚、皮膚科にかかる際は必ずペットが真菌症であることを伝えてください。
 
仔犬の皮膚病
仔犬の皮膚病
ショップから購入して間もない子犬に見られた皮膚病です。検査の結果、糸状菌(カビ)が検出されました。
糸状菌は人畜共通の皮膚病ですから、皮膚の弱い方は動物以上に症状がでることもあります。この仔犬には消毒薬と抗真菌剤の塗り薬が処方されました。
全身性毛包虫症の仔犬
全身性毛包虫症の仔犬
この子は山の中で生活している野良犬の母犬から産まれた子です。母犬が産前からアカラスを持っていたため、仔犬たちは全員アカラスをもらってこんな状態に・・・
ここまで全身に及び酷くなると完治は困難です。しかも野良ちゃんのため治療もままならず・・・やりきれない症例でした。
 
石田宅の「うな」
石田宅の「うな」
縁があって我が家にやってきた「うな」ですが、来た当初酷い皮膚病にかかっていました。体中あちこちに脱毛病変があり、常に体をかいています。
うなの耳
うなの耳
慢性的な脱毛と、痒みによる掻き傷で、振れば血が飛び散る状態です。耳の中はマラセチア(真菌)の黒い汚れであふれています。
あごのした
あごのした
赤く炎症をおこし、皮膚が見える状態です。
全身にこのような病変が多くあるので、徹底的な消毒と、セファランチンとミノファーゲンの内服を開始しました。(あえて抗生物質は使わないことにしました)
経過は追ってお知らせします。
半年後・・・
半年後・・・
耳は油断するとまだマラセチア汚れが出てきますが、全身の皮膚は良好です。虎刈りだった毛も伸び、バーニーズらしくなってきました。(隣は娘です)
ボクをこんな顔にしたのは・・・
ボクをこんな顔にしたのは・・・
疥癬という皮膚の中にトンネルをつくるダニが原因です。猫では主に頭部から首にかけて、猛烈な痒みを伴う脱毛病変が見られます。痒みの為、二次的に掻いたことによる傷ができていることも多いようです。この子も、他院で耳の腫瘍と言われ、危うく断耳されるところでした。
イベルメクチンと言う殺ダニ剤を経口的に投与することですっかりきれいに治りました。
ホントはこんな顔なのにゃ
ホントはこんな顔なのにゃ
毛がないとイメージ変わるもんですね。猫も人も・・・
全身薄毛だったモカちゃん
全身薄毛だったモカちゃん
3ヶ月くらいで来院した当初、全身、毛がうすくまばらで地肌が見えていました。検査で真菌関与が判明したので、消毒をメインにセファランチン、ミノファーゲンという独自の治療で、たった数週間で下のように毛が生えました。
治療開始後数週間
治療開始後数週間
やっとロングらしくなってきました。
真菌大発生
真菌大発生
今年の夏は暑さの影響か例年に増して真菌性の皮膚炎が多く見られました。このジョンちゃんも脱毛部分、すべて真菌に汚染されていました。内服の抗真菌薬と、消毒ですっかり良くなりました。
糸状菌プラス細菌感染
糸状菌プラス細菌感染
この子は他院にて、内服の治療をうけていましたが、悪化の一途をたどっているということで来院しました。皮膚は潰瘍になり、ひどい痛みがあるようです。検査の結果糸状菌がみつかりました。抗生物質の注射と、抗真菌剤の内服、レーザー治療を併用して治療開始した日の写真です。
2回目の来院時
2回目の来院時
化膿が治まり、かさぶたが作られてきました。ジクジクした感じもありません。
3回目の来院時
3回目の来院時
かさぶたがポロリと取れた後には産毛が生えてきています。あとは、毛が伸びるだけ!ほぼ完治です。
猫の皮膚糸状菌症
猫の皮膚糸状菌症
クロちゃんの背中にできた見事な10円ハゲ。
いろいろ家で薬をつけてみたけど治らないとのこと。
脱毛部の周囲の毛を検査してみると・・・
毛の顕微鏡写真
毛の顕微鏡写真
毛の中に、カビの菌糸がびっしりと見えます。(粒に見えるのが菌糸です)
消毒と、抗真菌剤の塗布で改善が見られました。
猫ではよく皮膚の真菌症が見られます。原因を特定せずに抗生物質や消炎剤を使い、悪化する例も多く見られます。人間にも感染しますので、注意が必要です。
 
綺麗に治りました!
綺麗に治りました!
飼主さんに地道に消毒して抗真菌剤を塗布していただいて、先日の来院時にはこんなに綺麗に毛が生えそろっていました。
食餌アレルギーと細菌感染
食餌アレルギーと細菌感染
治療前のルルちゃんです。まだ若いのに、目の周りや足の先、お尻周りが脱毛して腫れあがりひどい痒みもありました。
 
検査では真菌やアカラスは見つからず、食餌内容を聞いてようやく原因が絞り込めて来ました。主食は市販の缶詰やジャーキー、スナックとのこと。病変の部位などからも食餌アレルギーが強く疑われました。二次的に細菌感染も起こしています。
ルルちゃんの足
ルルちゃんの足
毛を刈っているわけではなく、痒みのため自分でかんでこんなになってしまいました。
途中経過
途中経過
飼い主さんに食餌療法の必要性を説明して、処方食と内服薬を開始したところ、いったんは症状がほとんどなくなったものの、フードと薬が切れて一般食に戻したとたんまた同じ症状が出てきて、驚いた飼い主さんが反省して来院されました。
それでも初診時に比べたら、ずいぶん目の周りに発毛が認められます。
マラセチア性皮膚炎
マラセチア性皮膚炎
ゴールデンレトリバーのランちゃんです。腰から尾にかけて慢性の脱毛と炎症に悩まされていました。他院で診察を受けましたが、自分で噛んで起きた皮膚病だからほっとけば治ると言われたそうです・・・
色素沈着と痒みが酷く、主にマラセチアが影響した皮膚炎と診断して治療を開始しました。(徹底的な消毒と抗生物質等の内服薬)次回来院が楽しみです。
全身化膿のチーズ(初診時)
全身化膿のチーズ(初診時)
5年前に拾ったときから皮膚病で、他院に通って痒みを止める治療を受けていたのですが、化膿が酷くなる一方ということで来院したシーズーのチーズちゃんです。これは初診時の様子。
 
 
同じくチーズのおなか
同じくチーズのおなか
皮膚検査からは、球菌の異常増殖と、マラセチアが検出されました。全身が化膿し、特に顔面、脇、内股は皮膚が厚くなり長年の炎症のひどさを物語っています。
目の表面も化膿し、常に目やにが出た状態でした。
 
治療開始から約2ヶ月
治療開始から約2ヶ月
抗生物質と免疫(インターフェロン)の注射、家庭での消毒処置、抗生物質や皮膚病用漢方薬の内服、食餌療法の併用で治療を開始しました。
一回の注射治療後から劇的に改善が見られ、今では全身に新しい毛が生えて若返ったチーズです。
脇と内股にご注目!
脇と内股にご注目!
飼い主さんの努力もあり、食事療法の効果も出てきて2ヶ月経った今では見違えるほど綺麗になりました。
 
シーズーの重度の皮膚病
シーズーの重度の皮膚病
2才のシーズーのりゅうのすけ君は、小さいころから皮膚が弱く、ここ1年で急激に皮膚病が全身に広がりました。飼い主さんは、近所の動物病院に連れて行きましたが、「シーズーは皮膚が弱いから・・・」とシャンプーを出されただけで、特に治療はなかったそうです。段々ひどくなっていくのを見かねて2月16日に来院されました。
 
検査の結果、現在のところアカラスや疥癬は見つかりませんでしたが、重度の皮膚糸状菌症であることがわかりました。それに細菌やマラセチアという酵母が二次感染して症状を悪化させているようです。
 
日本では未発売の真菌と細菌両方に効く薬用シャンプーと、消毒治療、抗真菌剤の内服、更には抗生物質の注射の4本立ての治療が始まりました。もちろん皮膚病用の処方食もお勧めしました。
 
現在の状況が酷いだけに、治療の効果が楽しみでもあります。この子の経過も近日公開します。
治療開始から6日目です!
治療開始から6日目です!
今日で4回目の来院ですが、劇的な改善を見せてくれました!上の写真と比べて赤み・化膿ともにが減っているのがわかりますか?(同じ子ですよ!)
飼い主さんも、“臭いが減った”“フケが減った”“痒みがなくなり元気になった”と大喜びでした。
まだ、局部的に病変は残っているのでこれからも消毒や内服薬、体質改善のための食事療法を続けながら経過を見ていく予定です。
 
全身性アカラス(毛包虫)症の柴犬
全身性アカラス(毛包虫)症の柴犬
柴犬のリュウちゃんは他院でずっと治療を受けていましたが、悪化する一方ということで来院しました。これは初診時の写真です。背中以外の殆どの皮膚の毛は抜け落ちひどい炎症を起こしています。立っているだけで診察台一面にフケが白く降り積もるほどです・・・
アカラスとは毛包に寄生するダニです。健康な犬の皮膚にも少数存在しますが、通常症状をあらわすことはありません。細菌感染やステロイドの長期使用などにより皮膚免疫が低下すると急激に増殖することがあります。
 
さっそく食餌療法と、消毒、ドラメクチンの週1回の注射、二次感染を抑えるための抗生物質の投与による治療を開始しました。
 
5〜6回治療後
5〜6回治療後
一週間〜10日おきに来院して注射治療を行い、家では内服薬と消毒を続けてもらっています。今回私は1ヶ月ぶりくらいに見たのですが、局部的な化膿はあるものの皮膚の赤みが減り、全身的に発毛していて見違えるようになって嬉しい驚きでした。
上の写真と比べると、口周りから首にかけて、脇腹にも新しい毛が生えているのがわかります。
細菌性膿皮症
細菌性膿皮症
この子も病院に連れていったが皮膚病が一向に治らないということで来院しました。検査の結果、細菌性の皮膚病であることがわかりました。患部には色素が沈着してかなり慢性に経過していることがわかります。
2回の注射治療後
2回の注射治療後
レベルの高い抗生物質をしっかり使用することにより、急激に発毛が認められました。
猫の耳ダニ
猫の耳ダニ
耳の中がガサガサした黒い汚れと、強い痒みが特徴です。耳を振ったり、掻いたりして耳介に傷ができることもあります。
耳垢の顕微鏡像
耳垢の顕微鏡像
上の子の耳垢を顕微鏡で見てみました。汚れの中に見える楕円形のものは、耳ダニの卵です。
耳ダニ虫体
耳ダニ虫体
これが虫体です。ダニを殺すにはイベルメクチンの内服か注射が効果的ですが、子猫や老猫ではより優しい治療法として、フロントラインの耳道内滴下も行われます。
いづれも、一回だけでは効果が薄いため、1〜2週おきに数回繰り返します。
あ〜・・・見てるだけで痒くなってきた!!
犬の疥癬
犬の疥癬
ペットショップから購入してまもないダックスの子犬です。やたら体をかゆがり、毛も抜けてきたということで検査したところ疥癬ダニが発見されました。
犬では、後ろ足やわき腹から始まることが多く、放っておくと全身の毛が抜け落ちてしまいます。ひどい痒みを伴うので、動物はつねに噛んだりなめたりしてイラついて落ち着きません。ィベルメクチンやドラメクチンというダニを殺す薬で治療します。(内服もしくは注射)
 
マラセチア性皮膚炎
マラセチア性皮膚炎
ここ数年で急激に増加している酵母性真菌による皮膚病です。この子は他院でずっと治療を受けていたが改善しないということで来院しました。
上の子の皮膚の拡大
上の子の皮膚の拡大
毛はベタベタして艶が無く、地肌をかるくコットンで拭いただけで茶色い汚れが付きます。(マラセチアによる汚れです)二次的に細菌感染もおこして化膿している部分もありました。
同じく 耳
同じく 耳
耳の中が黒いべたついた汚れで詰まっています。
マラセチアは正常な皮膚にも存在しますが、湿気や温度などの環境要因、動物の皮膚免疫が弱ることによって爆発的に増殖します。
アトピーやアレルギーなどと診断され重症化して来院することの多い皮膚病です。
 
徹底的なシャンプー・消毒・抗生物質や抗真菌剤(重症時)などの治療が必要です。

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