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手術
当院で行われた手術症例を紹介します。
 
手術写真ですので臓器や傷などの写真を掲載してあります。
 
大丈夫な方だけご覧下さい。

随時更新中
腹壁破裂のチョビちゃん
腹壁破裂のチョビちゃん
チョビちゃんはノラ猫の女の子。世話をしていた方が飼い猫に昇格させようと避妊手術に連れてこられました。無事に手術が済み、退院したあと、抜糸日を待たずにまたチョビちゃんが来院しました。
見てみると息も絶え絶えのショック状態・・・退院してすぐ外に脱走して交通事故にあってしまったのです。
レントゲンを撮ってみると腹筋が破れ皮下に腸などの臓器が飛び出しています。
まずはショックの治療を行い容態が落ち着いたところで手術となりました。
皮膚をメスで切るとすぐ下に見えるはずの無い臓器が・・・正常な腹筋はほとんど残っておらず、何とか筋肉を寄せて臓器をおなかの中に戻しました。幸い術後の経過は順調で、今回は無事抜糸できそう・・・。よかったね!
異物の閉塞(耳栓)
異物の閉塞(耳栓)
2歳のチワワのメスのナナちゃんです。二日前から頻回の嘔吐をして他院にかかりましたが大量の皮下補液だけで帰されました。当院で症状から閉塞を疑いバリウム造影をしたところ、小腸で何かがつまり閉塞していることが判明。緊急手術となりました。
小腸につまった耳栓
小腸につまった耳栓
細い小腸にきっちりつまった耳栓。どうにも動かず、すでに腸壁が壊死しかけていました。切開して取り出し、腸炎の治療をしっかり行い、すっかりよくなりました。
あと数日発見が遅れていたら・・・ギリギリのところで助かったナナちゃんでした。
閉塞仲間と・・・
閉塞仲間と・・・
ナナちゃんの退院後の来院時の一枚です。隣に映っているダックスはイチゴちゃん。同時期にこの子も閉塞を疑わせる症状を出していましたが、バリウム造影では完全な閉塞は認められず内科療法で完治しました。閉塞には物が詰まることによる物理的な閉塞と腸の機能が落ち、動かなくなることによる機能的閉塞があるのです。
試験的開腹と腫瘍摘出を行った症例
試験的開腹と腫瘍摘出を行った症例
8歳のオスのラブラドールレトリバーのゴンタくん。10日ほど前から食欲がなく、痩せてきたがおなかだけが膨れているとのことで来院しました。
レントゲン像
レントゲン像
腹部のレントゲンを撮ってみると、おなかの大部分をしめる大きなしこりが写っています。場所的には肝臓や脾臓がある位置です。その後エコー検査をしてみると、しこり部分には血管が入り込んでおり、腫瘍の可能性が高いことが示唆されました。消炎剤や抗生物質、強肝剤などの投与で一時的に食欲や元気が戻りましたが、やはり次第に反応が悪くなり、飼い主さんの希望もあったため、試験的に開腹して、取れるものであれば腫瘍を摘出するということになりました。
脾臓の大きな腫瘍
脾臓の大きな腫瘍
開腹してまず目に飛び込んできたのは巨大な脾臓。レントゲンに映っていた影はこの腫瘍だったようです。通常の数十倍にも腫れあがった脾臓は体重の10%近い3kgもあり、いつ破裂していてもおかしくない状態でした。血管を傷つけないように、慎重に摘出されました。
数多くの転移巣
数多くの転移巣
しかし、悪い事に脾臓以外にも腹腔内到る所にすでに転移巣が見られました。腹膜や腹壁にもちいさなしこりがたくさん見受けられます。肝臓や他の臓器にも波及しているのでしょう。黄疸や腹水も観察されました。
 
今回、残念ながら発見時はすでに末期状態だった為、ゴンタ君は術後1週間頑張ったあと、亡くなりました。
 
飼い主さんとしては、出来る限りのことはしてあげたいということで手術を希望されたので、結果転移があり、予後が悪いということも含めて深く納得して下さいました。
 
聞くと、はじめに連れて行った病院では診察すらろくに受けられず、ほっといたら治るよと言われたそうです・・・
それでもこれはおかしいと、当院を尋ねてこられた飼い主さんのゴンタくんへの愛情のおかげで、私たちもそうそう目にする事のない腫瘍や多発転移巣を実際見ることができました。
 
獣医師としてかけがえの無い経験をさせてくれてくれたゴンタ君に感謝すると共に冥福を祈りたいと思います。
 
毛玉による絞扼
毛玉による絞扼
この子は長毛猫のチンチラです。気性が激しくブラッシングをさせないので全身毛玉だらけでした。数日前から後ろ足を引きずり臭いがするということで、安定剤をかけてみてみると・・・毛玉がくるぶしに絡みつき、皮膚を切って化膿しています・・・
毛を刈ってみると
毛を刈ってみると
骨や筋がむき出しになっています・・・良くぞここまで我慢したものです。気の強さがあだになることもあるのですね・・・ちなみにこの子、抜糸の時にも安定剤が必要でした。
マチ針を飲んだサラン
マチ針を飲んだサラン
生後3ヶ月のミニチュアシュナウザーのサランちゃん。
目を離したすきに手芸のマチ針を飲み込んでしまいました。
胃の中にマチ針があるの、わかりますか?
胃の中にマチ針があるの、わかりますか?
摘出したマチ針(頭は切ってあります)
摘出したマチ針(頭は切ってあります)
即日開腹手術で取り出しました。
交通事故による断尾
交通事故による断尾
この痛々しいシッポの持ち主、ミルクちゃんはもともと大人しい子で、事故後数日して飼主さんが気がついたため、発見時にはすでに化膿がひどく、感染を抑えるのに一週間ほどかかりました。ようやく壊死組織が取れ、手術時の様子です。肛門の間近まで皮膚の剥離が確認できます。
術後のシッポ
術後のシッポ
シッポは失ったけど命があっただけ良いと思わないとね・・・経過は良好で今は元気にしています。
犬の臍ヘルニア
犬の臍ヘルニア
シェルティーのサラちゃんのお臍です。以前から小さなでべそはあったのですが、最近大きくなってきたとのことで手術することになりました。
これは毛刈りして消毒しているところです。
切ってみると、5ミリくらいの小さなヘルニア孔から脂肪組織が脱出して、しこりのようになっていました。脂肪を取り除き、ヘルニアの孔を縫い合わせて終了しました。
まれに腸がでたりすることもあるので、でべそもちの子は、その部分がいつもより大きかったり色調がおかしい時はすぐ受診しましょう。
精巣腫瘍のマック
精巣腫瘍のマック
他院の、「原因不明なので大学病院にいってくれ」という半ば見捨てたような発言に奮起した飼主さんが、懸命に調べて連れてこられました。
太腿の薄毛部分と、一つしかない睾丸
太腿の薄毛部分と、一つしかない睾丸
マックは七歳のオスのゴールデンレトリバーです。食欲不振や薄毛、腹囲膨満の異常にまず飼主さんが気が付きました。片睾丸しか降りておらず、精巣腫瘍が強く疑われます。エコー検査でも円形の腫瘍が確認できました。
人の拳より大きな精巣腫瘍
人の拳より大きな精巣腫瘍
開腹すると、腹腔内脂肪に癒着した巨大な精巣が見つかりました。
癒着した大網(脂肪組織)を電気メスで丁寧に剥離していきます。
重さは414g
重さは414g
この腫瘍、大きいだけでなく、腫瘍化した精巣の細胞からエストロゲンという女性ホルモンが大量に分泌されるため、脱毛や貧血、外見や行動の女性化が見られることが多いのです。
元気に退院しました
元気に退院しました
術後の経過も良好で、5日後に無事退院して飼主さんのもとへ帰っていきました。
犬の膀胱結石
犬の膀胱結石
体重1.5kgのヨーキーのポピーちゃんが、最近尿を漏らすということで来院しました。念のためレントゲンを撮って見ると・・・あまりの膀胱結石の大きさに絶句・・・
こんなに膀胱いっぱいに結石が成長するまで、とくに酷い症状(血尿や排尿困難)は出ていなかったのが不思議なくらいです。
膀胱から結石を取り出しているところ
膀胱から結石を取り出しているところ
膀胱は石の成長により収縮できない状態になっていました。ひとつひとつ丁寧に取り出します。
術後のポピーちゃんと結石
術後のポピーちゃんと結石
よくぞここまで酷い症状も出さずに耐えていたものです・・・。これからは食餌療法で再発しないように気をつけようね。
犬の子宮疾患
犬の子宮疾患
何度も交配しても妊娠せず、今回はおりものが出だしたということで避妊手術をしたコーギーのミラノちゃんの子宮です。表面からみても子宮がでこぼこしているのがわかります。
切開したところ
切開したところ
でこぼこの正体は粘膜の過形成のようです。正確な病理検査は行えませんでしたが、腫瘍の疑いもすてきれません。慢性的にホルモンのバランスが悪く、子宮疾患を起こす子はわりと多いのです。
猫の帝王切開
猫の帝王切開
初産のミュウちゃんは、出産の兆候がみられたかとおもうと出血がはじまり、母体に危険が及ぶ可能性があったため緊急に帝王切開手術を受けました。
胎児が子宮内で大きくなりすぎていて出産が不可能な状況でした。2匹のうち一匹は残念な結果に終わりましたが、残った一匹は逞しく母乳を吸い、ミュウちゃんも退院時には立派にママぶりを発揮して元気に帰っていきました。
猫の妊娠末期の子宮
猫の妊娠末期の子宮
野良猫の避妊手術での一枚です。不幸な子猫を増やさないために避妊手術に連れてこられる方が多いのですが、野良猫だけに交配の有無も不確かで手術してみて妊娠していたということも多いのです。
この子はすでに妊娠末期に近い状態でした。末期になればなるほど血管も太くなり母体への負担も大きくなります。私たち獣医にとってもやりきれない感情の残る切ない手術です・・・
断脚手術
断脚手術
生後6ヶ月時におそらく交通事故で左前肢端を失い、現在の飼い主さんに引き取られた華ちゃん。化膿はおさまり少しずつ身は寄っていたものの、度々出血していたので断脚を決断しました。
術後の華ちゃん
術後の華ちゃん
切断部が下すぎるとどうしても患肢を使ってしまうため、上腕骨での切断となりました。
3本足でも元気にしています
3本足でも元気にしています
足の痛みが無くなったせいか以前にまして元気に、穏やかになった華ちゃんです。
鼠径ヘルニア
鼠径ヘルニア
足の付け根(そけい部)は腹壁をつらぬいて、動脈や静脈、神経などが足のほうにのびる部位。通常この穴は誕生時には小さくなっていることが多いのですが、それが閉じずにいると何かのきっかけでおなかの中の脂肪や腸などが皮膚の下に出てきてしまうことがあります。出るだけならいいのですが、腸が出たままねじれて戻らなくなったりすると、血行障害を起こして腐ってしまうこともあり、緊急手術が必要になります。おへそや足の付け根付近に異常なしこりや膨らみが見つかったら、早めに動物病院でくわしく検査を受けましょう。
 
ミニチュア・ダックスのウランちゃんは、数週間前から下腹部のふくらみが気になるということで来院しました。幸い腸は脱出はしていませんでしたが、先日ヘルニア孔を閉じる手術を行いました。
 
 
猫の子宮蓄膿症
猫の子宮蓄膿症
陰部から膿が出ているということで急きょ来院して手術となったタマちゃんです。特に発情後にはホルモンの不均衡から子宮蓄膿がおこりやすくなっているので注意しましょう。
摘脾手術を行ったキューちゃん
摘脾手術を行ったキューちゃん
定期的な血液検査で、重度の自己免疫性溶血性貧血と診断されたキューちゃん。一般的なステロイド治療にも反応が悪く、エコー検査・レントゲン検査で脾臓が大きく腫れていることが判明しました。脾臓で過剰に血球が破壊されることから、治療と病理検査(組織を採取して行う細胞検査)のために摘脾を行いました。
摘出した脾臓
摘出した脾臓
重さは500g近くもあり、中央部が大きく盛り上がっていました。病理検査の結果、脾臓では腫瘍は見つからず「血腫」の診断でしたが、キューちゃんは以前皮膚の線維肉腫で手術をしたこともあり、どこかに腫瘍があってもおかしくない状態です。
現在、食欲・元気はそこそこありますが、貧血はまだ認められ、免疫抑制剤を使ってどうにか維持している状態です。
 
平成17年2月、キューちゃんは貧血とそれから来る心不全で天国に旅立ちました。キューちゃん、飼い主さんと一緒に本当によく頑張ってくれました。安らかに・・・
 
串を丸呑みしたシンバ
串を丸呑みしたシンバ
お正月のおせち料理の串カツを丸呑みしてしまったシンバです。特に症状は見られませんでしたが、胃や腸に先端が刺さると穿孔の恐れがあるため緊急手術となりました。
胃内の串を摘出中
胃内の串を摘出中
まるごと1本串を飲み込んでいました。この手術の翌日、同様に串に刺さったソーセージを飲み込んだ柴犬の手術も行われました。犬は物を丸呑みする性質があるので串に刺さった料理には要注意です!
猫の卵巣嚢腫
猫の卵巣嚢腫
避妊手術を行った猫で偶発的に発見された卵巣嚢腫です。この子は、絶えず発情を起こしていました。
ホルモンの異常分泌がおこるため、発情が不規則なったり、持続発情や性格の変化(イライラ)の他にも子宮内膜炎を併発することもあります。
 
犬の子宮蓄膿症と卵巣嚢腫
犬の子宮蓄膿症と卵巣嚢腫
老齢の柴犬です。元気が無いということで来院され、超音波検査で診断が確定しました。全身状態も悪かったのですが、手術以外に助かる道は無く、手術にあたって飼い主さんへの十分なインフォームドコンセントを行いました。数日間集中的に抗生物質治療を行った後、手術を行いました。幸い術後の経過は良好で、無事退院することができました。
モルモットの帝王切開
モルモットの帝王切開
出産予定日を10日すぎても出産する兆候が無く、このままでは妊娠中毒症や子宮破裂の危険があるため、母体の安全のために帝王切開をすることになりました。
 
出産前の母親の体重800グラムに対して、子供1匹目112グラム、2匹目87グラム。明らかに自然分娩が無理な状態なまでに、大きくなりすぎています。手術後母親は466グラムになってしまいました。体の半分を妊娠子宮が占めていたことになります!
 
手術当日の親子
手術当日の親子
子供たちは懸命の蘇生処置でどうにか自力呼吸を始めましたが、母親は乳腺も張っていない状態でしたので、人工保育してもらうことになりました。しかし、1匹目は翌日、2匹目は5日後に残念ながら亡くなってしまいました。
モルモットはウサギやハムスターと違って生まれた時には目も開き毛も生えた状態ですが、人工保育下での生存率はかなり低いようです。
ウサギの尿路結石
ウサギの尿路結石
尿がでない!ということで大分からはるばる来院されたモモちゃんです。ウサギもカルシウム代謝が特殊なため、尿路結石ができやすい動物です。左に見える灰色の部分が、皮膚を通して見えている結石です。
 
 
手術後のモモちゃんと結石
手術後のモモちゃんと結石
おちんちんの先に1cmもの大きさの結石が詰まっていました。緊急手術で、おちんちん横の皮膚と尿道を切開して結石を取り出しました。
現在は食餌療法で再発も無く元気にしています。
 

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