しかし、悪い事に脾臓以外にも腹腔内到る所にすでに転移巣が見られました。腹膜や腹壁にもちいさなしこりがたくさん見受けられます。肝臓や他の臓器にも波及しているのでしょう。黄疸や腹水も観察されました。
今回、残念ながら発見時はすでに末期状態だった為、ゴンタ君は術後1週間頑張ったあと、亡くなりました。
飼い主さんとしては、出来る限りのことはしてあげたいということで手術を希望されたので、結果転移があり、予後が悪いということも含めて深く納得して下さいました。
聞くと、はじめに連れて行った病院では診察すらろくに受けられず、ほっといたら治るよと言われたそうです・・・
それでもこれはおかしいと、当院を尋ねてこられた飼い主さんのゴンタくんへの愛情のおかげで、私たちもそうそう目にする事のない腫瘍や多発転移巣を実際見ることができました。
獣医師としてかけがえの無い経験をさせてくれてくれたゴンタ君に感謝すると共に冥福を祈りたいと思います。
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